花粉症目薬、アレジオンの使い方は?コンタクトの上からでも使える!?

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こんにちは、薬剤師のかずまです。今日は点眼薬についての記事を書きました。どの目薬を使用されている方でも参考になる内容もあるのでお楽しみに。

 

取り上げて説明するアレジオン点眼液を使用していない人でも読んでもらえる様に点眼薬の使用量などの目安を記事の最後の方で紹介しています。

アレジオンを使用している方・薬剤師の方・その他の医療従事者や介護に関わる方などの役に少しでも立てれば幸いです。

 

アレジオンとは

アレジオンはエピナスチンという抗アレルギー作用をもつ有効成分を含有したお薬です。

点眼剤のほか、錠剤でも使用されています。

主な効果として、アレルギー反応による痒み等を抑えてくれます。

 アレジオン点眼液(適応等)

適応はアレルギー性結膜炎で、花粉症を含め多くの目の痒み等に使用されています!

基本的な使い方は1日4回となっていますが、回数が多いと感じる方向けに1日2回のタイプも存在しています。

また、保存材の面ではコンタクトの上からでも使用できる優れものになっています!

 アレジオン点眼液LX

]1日4回なんて多くて点すのが面倒臭い。。こんな人向けに販売されたのがアレジオン点眼液LXタイプです!!

 

 

適応や有効成分は通常のアレジオン点眼液と全く同じです。

特徴として、通常のアレジオン点眼液よりも有効成分濃度が2倍で配合されています。
これにより、有効成分が長い間目の表面に滞留するようになっています。

その結果、アレジオンLXは1日2回と少ない点眼回数での使用法を実現しています。

 市販薬として入手可能か

残念ながらアレジオン点眼液0.05%は医療用医薬品となっているため、基本的には医療機関を受診し医師の処方箋がなければ入手することはできません

ちなみに錠剤のアレジオン20は、第2類医薬品で医療用と同量の配合のスイッチOTCとしてドラッグストアやAmazonなどで入手することができます。

エピナスチンの効能・効果、適応

 

有効成分であるエピナスチンの効能・効果、適応は

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎(点眼薬のみ)
蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬となっています。

これらの疾患に効くエピナスチンの作用機序は大きく分けて二つに分類されます。

  1. 抗ヒスタミン作用
  2. ケミカルメディエーター遊離抑制作用

順番に解説しますね。

①抗ヒスタミン作用

花粉症の痒み等の原因の多くはヒスタミンという物質です。

体の中に花粉やホコリ等のアレルギー物質が入ってくると肥満細胞から分泌され、ヒスタミン受容体に作用することで痒み等を引き起こします。

エピナスチンはヒスタミンの代わりにヒスタミン受容体に結合し、ヒスタミンが受容体に作用できない様にします。

その結果、アレルギー反応が抑制されます。

②ケミカルメディエーター遊離抑制作用

ケミカルメディエーターとはアレルギーや炎症、痛みなどに関わる物質の総称です。

上記のヒスタミンもこれに含まれます。
他にはロイコトリエン、トロンボキサン、セロトニン等が挙げられます。

エピナスチンはこれらのケミカルメディエーターが遊離するの抑制します。

結果、アレルギーや炎症などに関わる物質自体の量が減るのでアレルギー反応が抑制されます。

アレジオンの使い方

 1回で点眼する量

点眼薬の点眼量は基本的に1回1滴で十分です。
※これは基本、アレジオン点眼液LXタイプや他の市販目薬等でも同じです。

なぜなら、目の中に点眼液が入る量は約30μlが限界です。
これに対し、点眼薬の1滴は約40〜70μlなので1回1滴で十分過ぎる量が点眼されます。

上手く点眼出来ているのに何滴も点す人はかなりもったいないです。

これから気をつけて使用しましょうね。

 点眼するタイミング・間隔

点眼するタイミング・間隔は上記の点眼量とは異なり各種点眼薬によって異なるので注意が必要になります。

今回のアレジオン点眼液は下記での使用法が基本的な使い方になります。

  • アレジオン点眼液0.005%は1日4回(朝・昼・夕・就寝前)
  • アレジオン点眼液LX0.01%は1日2回(朝・夕)

 保管方法

アレジオン点眼液、アレジオンLX点眼液はどちらも室温保存でOKです。

※今回は関係ないですが、緑内障や抗菌薬入りの目薬等は冷蔵保存や遮光保存があるので自分の目薬の保管方法がわからない方は医師、または薬剤師の方に相談しましょう。

 1本でどのくらい使えるか

1本でどのくらい使えるかと言うのは薬局でもよく質問されます。

殆どの点眼液の1本(5ml)は約100滴分に相当します。

※上記で説明した点眼量は1回1滴で十分なことを踏まえて計算し、表にしてみました。
(新人薬剤師さんの方等も良かったら参考にしてみて下さい)

《点眼薬1本(5ml)の場合》

両目 片目
1日4回 13日分 1日4回 25日分
1日3回 17日分 1日3回 33日分
1日2回 25日分 1日2回 50日分
1日1回 50日分 1日1回 100日分

※注意※
点眼薬の中の薬液の衛生面での期限は開封後1ヶ月前後(約30〜40日)なのでその日数を超える場合には薬液が残っていても新しいものに切り替えるようにしましょう。

コンタクト

コンタクトの上からの使用

結論から言うと、コンタクトの上からでも使用可能です!

そもそもコンタクトの上から使用できない点眼薬の原因は保存剤にあります。
原因となる保存剤は殆どの場合、塩化ベンザルコニウムという物質なんです。

その理由を図を用いて簡単に説明しますね⬇️


《裸眼》

塩化ベンザルコニウム入りの点眼薬

問題無い


コンタクト着用時

塩化ベンザルコニウム含有点

徐々にコンタクトに沈着

コンタクト内濃度上昇

角膜障など


上記のように、塩化ベンザルコニウムは便利な保存剤で裸眼であれば問題無いですが、性質上コンタクトレンズに沈着してしまいます。沈着して濃度が高くなると塩化ベンザルコニウムは角膜障害を引き起こすと言われています。

現在多くの点眼薬にはこの塩化ベンザルコニウムが入っていますが、アレジオン点眼液には塩化ベンザルコニウムが含有されていません
その結果、コンタクトの上からでも使用できると言うわけですね。

使用上の注意

 アレジオン点眼液での副作用

アレジオン点眼液での副作用報告(添付文書に載っているもの)を上から多い順に記載しています。

  1. 眼瞼炎(0.31%)
  2. 眼刺激感(0.23%)
  3. 目脂(0.15%)
  4. 眼の異物感(0.15%)

その他は眼痛、流涙、点状角膜炎、そう痒感、結膜充血等(発生頻度不明)でした。

副作用も比較的発症頻度が低く使いやすい目薬ですね。

※しかし、使用して少しでも何かおかしいと感じた方はすぐに眼科等を受診しましょう。

 使用できない方(過敏症、妊婦、小児等)

使用に関する制限がある人は大きく分けて3つです

  1. 以前アレジオン点眼液を使用して過敏症が起きたことのある人
  2. 妊婦、産婦、授乳婦
  3. 低出生体重児、新生児、乳児、幼児

①に該当する過敏症がある人は基本的には使用出来無いので注意が必要です!!!

②、③に該当する方は眼科を受診した先生にその旨を伝えましょう。

点眼薬などの外用薬は作用が局所的なので妊婦や小児等でも使用OKの事は多いですが、しっかりと専門の先生にみてもらってから使用する様にしましょう。

まとめ

アレジオン点眼液の有効成分であるエピナスチンは有効性の高い抗アレルギー薬であり、花粉症などの痒みの原因物質の産生を抑制してくれる。

現在、医療用医薬品としてしか入手はできない

使い方は基本的には1日4回(1回1滴で十分)LXタイプは1日2回

他の花粉症の目薬とは違いコンタクトの上からでも使用できる目薬。